従来型である3つの歯周病治療の限界

定期的な歯石除去で歯は守られるのか?

歯科医院で治療が終了したときに、先生やスタッフから「それでは定期検診に半年後に来てください」と言われた経験がおありの方も多いと思います。

定期検診をお勧めする理由としては、「むし歯や歯周病を再発させないため」。または、「もし再発しても、早期発見・早期治療ができるため」といわれます。

果たして本当にそうなのでしょうか?

定期検診では、家でのケアでは取れない歯石を取ってくれると言われます。歯石は、プラーク(細菌)が固まってできたもので、通常プラークから歯石になるまで2~3週間かかると言われています。
しかし、本当のところは、歯石が悪いわけではなく、プラークが悪いのです。プラークをしっかりとコントロールしておけば、問題にはならないのですが、食べ物の中の糖質(甘いもの)などからプラークが発生するまでには、なんと24時間しかかからないのです。

定期検診では間に合わない!

つまり、何が言いたいかというと…
24時間以内に発生するプラークを除去するためには、定期検診では間に合わない!ということです。
日々のご自身でのケアこそが、あなたの歯を守ってくれる!ということです。

当センターでも、定期検診は行っていますが、どちらかというと、日々のご自身のケアがしっかりとできているかどうかのチェックがメインであって、これにさえ来ていれば問題ありませんとは言えません。
また、定期検診の時期は、一般的には6ヶ月間隔が多いようですが、患者さんによって、生活習慣も異なりますし、患者さんの性格も異なります。歯の状態だけを見て定期検診を決めることが多いですが、そうした患者さん個々の特性や癖も加味して、定期検診の期間を決めるべきではないでしょうか?

ここにも患者さん不在の治療方針があるように思えます。

歯周外科手術が必要といわれた方へ

歯周病が進行し、歯科医師から「歯ぐきを切開し、中の歯石を取り除きましょう」と言われたことがある方もいらっしゃるかと思います。

歯周外科手術は、確かに歯周病を改善させるためには有効な治療法です。私は治療法自体を問題にしようとは考えていません。ただ、最も言いたいことは、「手術が終わってそれで完璧!と思われていませんか?」ということです。

歯ぐきを切除するなど、身体的に痛みや負担のかかる大変な治療をされたにも関わらず、結局、今までの歯のケア方法と同じであれば、例え、定期的に歯科医院にメンテナンスに行っていたとしても、おそらくはまた歯周病は進行していくことでしょう。どんな治療でも言えることでしょうが、やはり、根本的には、患者さんの歯についての意識が変わらなければ、歯周病は再発してしまうのです。
誤解してほしくないのは、歯の意識が変わらない患者さんを非難している訳ではありません。そこまで患者さんと関係を築けなかった我々歯科医師の方法に問題があると思います。

「なぜ、当センターが存在するのか?」でも書きましたが、インフォームドコンセントと称して、いくら十分に説明をしたとしても、それが上から目線で、専門的すぎて、高圧的であれば・・・
患者さんは「はい・・・(そうして下さい・・・)」としか言えませんね。もし仮に、そうした半強制的に納得させられた状態で説明を受けて、歯周外科手術を受けたとしても、おそらくは、患者さんの意識は変わらずに、痛い思いをまたしなければいけなくなるのは目に見えています。

私たちは、そうした患者さんと医師との関係を根本的に見直したいのです。あなたが心から納得でき、歯の意識も「植え付けられた」というよりも自然と「自分の力で自分の歯を守ろう」というように思っていただくように接しています。

歯周内科療法で薬を服用し続けている方へ

歯周外科手術が、身体的・精神的苦痛を伴う手術であることや、術後に知覚過敏を併発しやすいなどのデメリットから、近年、「薬で歯周病を治す」歯周内科療法が注目されています。

確かに、手術を伴わずに薬の服用で歯周病菌を殺す方法は画期的ではありますが、あなたは薬の副作用など、リスク説明を受けていますか?

歯周内科で服用する薬は、ジスロマックとハリゾン(ファンギソン)とよばれる薬ですが、特にジスロマックは強力な薬で、3日飲むと1週間効果が持続するほどです。また副作用として、下痢や倦怠感、湿疹などが生じることもあります。もしかすると、歯科医師より、「特に副作用はないか、あっても軽微ですが・・・」などと言われたかもしれません。

もし気になる方は、「ジスロマック 副作用」と検索してみてください。そこに出ている患者さんからの副作用の訴えなど、私がお伝えしたいことのイメージがあなたにも伝わるかと思います。
こうした薬を定期的に服用してもらうのが、歯周内科療法です。
また、薬の副作用に伴うリスク以外にも、

●定期服用により、耐性ができるのでだんだんと効かなくなる
●保険が適用されないため、金銭的負担がかかる


といったデメリットもあります。

もし、私が患者だったら…と思うと、私は歯周内科は選択しません。それを選択するまでに、まだまだできることがあるんじゃないかなと思います。

対処方法として、当院において患者さん個々で違う歯周病の原因を見つけるため、精密検査を行い歯周病治療プログラムを実践しております。

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