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2021年8月22日

えっ?歯周病予防には機械的・化学的プラークコントロールが大事って知ってる?

A:歯周病の予防や治療にはプラークコントロールが大事です
というフレーズは皆さんもCMでも聞いたことがあるかと思います。

プラークコントロールには以下の2つがあります。

 ①:機械的プラークコントロール(歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ)

 ②:化学的プラークコントロール(歯磨剤、洗口剤)

プラークとは、虫歯や歯周病の原因である
歯垢(デンタルプラーク=バイオフィルム)は細菌の巣窟です。

細菌が作り出した菌体外粘性多糖体(グリココッカス)を主成分とする膜(フィルム)で覆われていて、内部で歯周病菌が増えながら毒素(エンドトキシン)を出して皆さんの歯ぐきに炎症(腫れ・出血)を引き起こします!

 

一般的には、このバイオフィルムの内部は薬液・薬剤が入って行くことはできません。

また内部では菌の遺伝子情報交換が行われているので、薬剤・薬液の耐性を獲得します。すなわち効き目が薄い(効かない)ということにつながります。

バイオフィルムは機械的除去(歯ブラシ・フロス・歯間ブラシ)によって初めて破壊されるので、機械的プラークコントロールが歯周病予防の主体である、とコンセンサスを得られております。               

化学的プラークコントロール(歯磨剤・洗口剤・スプレー・チューインガム)に過大評価をしてはいけないということですね。

 

B:プラークコントロールにはバイオフィルムの機械的(物理的)プラークコントロールと化学的プラークコントロールが大事な理由は?

③歯ブラシやフロス、歯間ブラシによる機械的プラークコントロールが大事であることを理解して頂けたと思いますが、100%除去は出来なく、個人差があります。

④洗口剤は除去されて浮遊した菌に作用して、新たなバイオフィルムの形成を抑制します。

 ③物理的除去と④化学的除去のバランスのよい組み合わせは大事です!

 皆さんの口の中に状況に合った配分を選択しましょう。

 

 

 

 

参考文献

各種洗口剤のプラーク形成抑制効果に関する研究
関野 愉, 相羽 玲子, 相羽 寿史, 塚原 武典, 田代 俊男, 岡本 浩

奥羽大学歯学部歯科保存学第I講座歯周病学教室

https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio1968/43/3/43_3_283/_pdf/-char/ja

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横浜市の歯医者