矯正をしたのに虫歯になるなんて
横浜南区弘明寺にあります長島歯科クリニックです。
矯正治療をしている方々に同じような過ちをしてほしくないのでビックリするような写真をお見せします。
せっかく矯正したのにこんなに虫歯になるなんて?!

この写真を見る限り、状況はこう整理できます。

①前歯の裏側にに固定式リテーナー(舌側ワイヤー)あり
②奥歯の咬合面(噛み合う)に着色+初期〜中等度う蝕疑いが多数あり
③左側奥歯に明らかなう蝕(黒く実質欠損っぽい部位)あり
④全体として**「急にできた」というより“管理不足で進行した様子
これはよくある誤解ですが、結論から言うと
「矯正=虫歯になりにくくなる」ではなく、むしろ条件次第で虫歯リスクは上がります。」ということなのです。
現状の説明
①矯正が原因ではないことをまず理解してもらう
「矯正したから虫歯になったわけではなくて、
矯正後の装置や歯並びの変化で“磨きにくい状態”が続いたことが原因です」
② 今、口の起きている状況を単純明快に
「奥歯の溝に歯垢(プラーク)が残りやすくて、
そこから虫歯がいくつかできている状態です。
左右2本ずつは少し進んでいるので治療が必要です」
③ 患者さんがすべての責任ではなくて正しい認識を矯正治療中に聞いていなかったとのことでした(😢😢😢)
「ちゃんと磨いてないから」ではなく→
「普通の磨き方では落ちない場所にできるタイプの虫歯です」
④ 年齢的な背景もある(まだ歯が柔らかいため)
「20代前半でも、
・間食の回数
・飲み物(甘い・だらだら)
- 大学生活
- アルバイト
- 仕事を始めたばかり
- 夜更かし
- カフェやエナジードリンク
ちょこちょこ飲食する習慣が増えやすい時期です。
口の中が酸性になる時間が長いと、歯が溶けやすくなります
口の中の細菌(虫歯菌)は、食べ物や飲み物の糖分をエサにして酸を作ります。
この酸で、歯の表面のエナメル質から
- カルシウム
- リン
が少しずつ溶け出します。
これを 脱灰(だっかい) といいます。
特に口の中のpHが 5.5以下 になると、エナメル質は溶け始めやすいです。⇒虫歯の始まりです!(;_;)

ステファンカーブ(Stephan curve)は、歯科でプラーク(歯垢)のpHが糖摂取後にどう変化するかを示した、
とても重要なグラフです。上の図がその模式図です。
1) 臨界pH(critical pH)
図の破線(pH 5.5)が重要です。
- エナメル質の臨界pH:約5.5
- これを下回ると 脱灰(歯が溶ける) が起こります
つまり、この線より下にいる時間が長いほどむし歯リスクが高いです。
2) なぜ頻回の間食が危険?
糖を摂るたびにこのカーブが毎回起こります。
たとえば、
- 飴を長時間なめる
- 甘い飲み物をちびちび飲む
- 間食が多い
と、pHが回復する前にまた下がるため、
脱灰時間が長くなりむし歯になりやすいです。
そのため一気に増えることがあります!
⑤ 前向きな考え方にシフトチェンジしてもらう!
「早めに治療すれば大きな問題にはなりません。
あわせて磨き方と道具を少し変えれば、これ以上は防げます」
せっかくキレイに矯正したのに2度と虫歯を作らないために
① まず現状の把握です
「今回の虫歯は“磨けていないから”ではなくて、
虫歯ができやすい生活習慣+磨きにくい場所(奥歯や歯と歯の間)が重なってできています」
② 一番大事なポイント
「虫歯は“量”より回数で決まります」
甘いものを食べる回数・飲む回数が多いほどリスク↑
対策は「回数」と「時間」です
実は甘いものを完全にやめるより、以下が重要です。
これは矯正治療中だけでなく普段からの虫歯予防には大事なことなのですよ
まずは飲食回数を減らす
- 食べたら時間を空ける
- 飲み物は水・お茶中心
- 甘いものは食後にまとめる
- 食後に水で口をすすぐ
量より回数が虫歯に直結しやすいからです。
たとえば
- ケーキを1回で食べる → まだいいです。
- 飴を3時間なめる → 虫歯になりやすい!(絶対やめて)
です。
③ やってはいけない生活習慣を挙げますと
「特に気をつけてほしいのはこれです」
- ちょこちょこ食べる(間食が多い)
- 飲み物をだらだら飲む(ジュース・カフェラテ・スポーツドリンク)
- 食後すぐ磨かないまま放置
- 磨かないで寝てしまうのはもってのほか(✖)
④ OK習慣(現実的にできる形)
「全部やらなくていいので、ここだけ守ってください」
- 食べる時間を決める(ダラダラ食べない)
- 甘い飲み物は“時間を決めて一気に”
- 水かお茶を基本にする
- 寝る前は必ずしっかり磨く
⑤ 磨き方(この症例のコア)
「普通の歯ブラシだけでは落ちない場所があります」
- タフトブラシ(奥歯の溝・ワイヤー周り)
- フロス(毎日やってほしい)

「歯ブラシ+ワンタフトで“溝を狙う”のがポイントです」
⑥ リスクの自覚を持たせる一言(今までの矯正治療中の辛さが無駄になる、お金を出してくれたお母さんに申し訳ないですよ)
「今のままだと同じ場所にまたできます。
でも今の段階なら、習慣を変えれば止められます」
⑦ 長島歯科で患者さんのために協力できること
他院での矯正治療でしたが、フロス指導の徹底を行います。
またフッ素塗布を行い歯面の強化に努めます


