歯周炎と歯周病の関係

A:歯肉炎とは
歯肉炎は、歯肉が炎症を起こして赤くはれたり、出血したりする状態です!
 平成23年 歯科疾患 実態調査によると、小・中学生の約4割、大人の約5割に、歯肉炎の症状が見られます。

 歯肉炎の原因は、みがき残した歯垢。 歯垢の中の細菌の毒素や酵素が、歯を支える組織を刺激すると、歯肉が炎症を起こしてしまうのです。

歯肉炎は歯周病の初期段階です。痛みはなくてもケアは必要。

B:歯周病とは

「歯周ポケット」と呼ばれる、歯と歯ぐきのすき間にある溝から病気が始まります。
歯みがきが正しくできていないと、次第に歯周ポケットには細菌のひそむ汚れがたまっていき、歯ぐきの内部で炎症を起こします。                                   

しかし必ずしも
100%歯肉炎から歯周病に移行するとは限りません。
重度の歯周病にまで進行する可能性のある方は10%程度と考えられています。

C:現在の考え方(歯肉炎から歯周病へ段階ステップ)

この図は
Socranskyによる「ランダムバーストモデル」といい歯周病は時間をかけてゆっくりと進むのではなくて静止期と活動期を繰り返しながら急激に進行する。
という考え方が提唱されています。

この考え方の背景には
患者さんによっては歯垢(プラーク)や歯石が大量に残っているのに歯周病が進行していない人が大勢見受けられます。

このランダムバーストモデルの考え方である
歯垢管理の十分でない患者さんに体の抵抗力が落ちた時に
「歯ぐきの腫れ・出血・歯がグラついて咬めない」の症状が出ますというのは多くの患者さんを診ていて 納得できます。

 

参考文献

ライフスタイル環境に関連した歯周病のリスクファクター
雫石 聰
大阪大学歯学部予防歯科学講座

https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio1968/40/Special/40_Special_49/_pdf/-char/ja